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責任とはなにか、説明できますか?

本日のまとめ

「責任」は、ある人がもつ役割を果たすことである。

役割を規定しないと、責任の範囲は曖昧となる。

責任のなすりつけ合いになったら、

どんな役割を互いに期待しているかを語り合おう。

 

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こんにちは。じゅんです。

今日はひさびさに旧友と飲んでいました。

彼も僕と同じく企業を相手にするコンサルタントで、

主にはリスクマネジメントを扱っています。

企業を相手に、潜在的なリスクの抽出やリスクへの対応方針を考える仕事ですね。

 

仕事の内容はさておき、彼との会話でおもしろい議論になりました。

ずばり、

「責任」

とはなにか?ということです。

国とか企業とか、そういう大きな単位の話しじゃなく、

個人の「責任」です。

 

・責任がある

・責任をとる

・説明責任を果たす

・責任感をもってやる

・責任転嫁する

などなど、「責任」という単語は仕事で多く出てきますが、

「責任」の意味の認識に違いがあるとしか思えないことがあったりします。

 

例えば、極端な例ですが、

上司「キミ、お客様への提案書を責任感をもって作りなさい。」

部下「わかりました。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

部下「できました。確認おねがいします。」

上司「・・・うん。納得できるしこれで提案しに行こう!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

提案後

お客様「うーん、ちょっと違うんだよねー。悪いけどもう来ないで。」

上司・部下「お時間いただきありがとうございました。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

上司「キミ、責任感をもって作りなさい、と言ったよね?」

部下「はい。おっしゃいました。」

上司「なら、この失敗の責任をとってもらう。昇格に響くと思え。」

部下「いいえ、上司に確認頂いたので、この失敗は私の責任ではありません。」

上司「私はキミの作成物を見ただけで作成者はキミなんだから、キミの責任だ」

部下「いやいや、上司の確認を取るまでが私の責任でした。確認してもらったのですから、責任は上司にあります。」・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いかがだったでしょうか。

まぁ実話をもとに作った例ですからリアリティあると思うのですが笑

上司と部下、噛み合ってないですねー

 

なんで噛み合ってないのかというと、

上司と部下が思う「責任」の範囲が違ったからですね。

上司のいう「責任」は、

 「案件が失敗したのは提案書のせいだから、

  提案書の作成者が100%原因である。」

という意味だと捉えられます。

一方部下のいう「責任」は、

 「案件が失敗したのは提案書のせいだから、

  提案書の最終確認者が100%原因である。」

といった意味でしょう。

 

どちらが正しいという議論ではなく、

噛み合っていないこと自体が問題です。

 

もう結論に入りますが、「責任」とは、

「明示・黙示的に関わらず、ある立場にいる人が、

 役割を果たすこと」

「約束を果たせない場合には、代償を支払う必要があること」

この2点だと思います。

 

「役割」の認識が違うと、さっきの上司と部下のようになるのですね。

「責任の取り方」も、役割次第ということです。

 

上司が部下に、「キミには責任感がない!」

っていったとしても、そもそも役割の認識が違えば無意味な問答です。

どちらも、「あなたの責任だ!」って思ってるわけですし、

それが正しいと思っているのですから。

 

だからこそ、組織には役割を規定する役職があって、

どこまでが自分の「責任」の範囲かを明確にできるのです。

 

少々古いですが、

「上司の失敗は、部下の責任!」

と大声で宣っていた大和田常務(半沢直樹シリーズ)のセイフについて、

銀行の上司・部下の役割分担がそういうものと組織で決まってるならその通りだし、

一人で勘違いしてるだけなら、ただの勘違い野郎ってわけです。

 

役割を定義することで、はじめて責任の範囲が明確となります。

逆に、明確にしすぎたら何かあったときに攻めることができないので、

わざと曖昧に定義しておいて、成功したら自分の成果に、

失敗したら部下が代償を支払う、といったスキームを用意できたりします。

 

要は、役割を定義しないと責任については語れないよ。

と言いたいのです。

 

イスラム国で殺害された後藤さんについて、自己責任論を語ったりすることもありますが、

自分の責任、すなわち自分の役割とはなんぞや?

という定義がないと、責任は語れないのです。

 

責任とは役割です。

役割を果たせなかった場合の代償についてはまた今度考えますが、

代償は、役割によっても違いますが、偶然性が大きいものです。

 

例えば財布をなくしたとき、なくしたのは自分ですから自分の責任です。

「財布をなくさない」という役割を果たせなかったのです。

では、同じ行為に対する代償は、10円しか入れていなかった場合と、

10万円入れていた場合とでは違いますよね。

このように、代償は同じ役割でも偶然で大きく変わります。

 

今回は「責任」についてでした。

責任とは、役割で規定されるもの。ということを書きたかったのです。

組織に入ると、「責任」という言葉をそれぞれ違う意味で使ってたりするので、

そんなときはいったん、それぞれの役割はなにか、話し合う必要があります。

単に「あなたの責任だ”」と叫ぶだけでは、相手との溝は埋まりません。

 

本日はこれくらいで!ではでは。