わかりにくいって言われるのは、ちゃんと表現しようとがんばってる証拠
まとめ
わかりやすくてかつ、しっかりと考えられた表現が優秀
わかりやすいだけの雑な表現は破綻する
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「わかりやすい表現を心がけなさい」と社会に入ってからよく言われます。
コンサルでは、仕事の大半が人とのコミュニケーションです。
だから、なるだけ誤解のないシンプルな表現で、
的確に伝えることが重要になります。
でも、わかりやすくするって難しいです。
ちゃんと考えないと、わかりやすくならずにかえって混乱します。
簡単な例として、
外食の場所を相談する場合を考えてみましょう。
A「蕎麦みたいなあっさりしたものを食べたい気分だなー」
B「蕎麦が食べたい気分だなー」
AとB、どちらもありそうな気分です。
でも、Bのほうが具体化されて、すぐに行き先が決まる優秀な表現です。
Aは「あっさりしたもの」が主軸で、蕎麦は例示なんですよね。
ぱっと聞いた感じはわかりやすいですが、
「あっさりしたもの」というと候補が多くてよくわかりません。
そのため「蕎麦みたいな」という例を出していますが、
例ということは他にも候補があるということを暗に示しています。
蕎麦が本当にいいなら「みたいな」なんて言葉は使わないでしょう。
ざっくりと「あっさりしたもの」が食べたい、としか言っておらず、
具体性な考えに及んでいない雑な表現です。
念のため、Aの表現が悪いって言ってるわけじゃないです。
コミュニケーションの土台として曖昧なところから相手の嗜好とすりあわせていくのは適切だと思います。
ここでは、
本当にわかりやすい表現とわかりやすいけど雑な表現の差を考えるため、
Aの表現は雑だと言ってます。
つまり、Aのような気分のときに、それをそのまま表現するのではなくて、
一呼吸具体化を考えてBの表現に行き着く過程があるんです。
気分を考えて、Bという具体案を抽出したからこそ、
わかりやすい表現に行き着いたのです。
雑な表現からわかりやすい表現にするためには、
雑で抽象的な表現から、具体化が必要になるということです。
雑な表現としては、
「なんか~~」、「なんとなく~~」、「~~みたいな」
などがあります。
雑な表現は抽象的と言い換えてもいいかもしれません。
こういった表現が悪いわけじゃないです。
具体化できない気分の共有などもコミュニケーションには必要ですから。
ただ、「わかりやすい」表現という意味では雑なんです。
抽象的な概念は、相手に伝わりにくいです。
雑な表現をしてるにもかかわらず、
「こんなにわかりやすく言ってるのになんでわからないんだ?」
って思ってる人には、僕はイラッとしてしまいます。
ある程度知識が共有できていれば抽象的な表現でも伝わりますが、
前提の知識が違う場合には通用しません。
だからこそ、雑な表現でしかないものをわかりやすく具体化するための思考が必要なんです。
この思考過程で、わかりにくい表現が出てきます。
先ほどの外食先の例だと、
「蕎麦が良いかな?それともうどんかな?魚料理かな?魚なら刺し身かな?サラダもありかな?」
とか、思考過程の中を表現すると
何が言いたいのかわからなくなってしまいます。
思考の結果、蕎麦がいいという結論を導いたからこそ、
「蕎麦が食べたい気分だなー」
というわかりやすい表現に行き着くんです。
わかりやすさとは、単なる雑な表現をすることだと勘違いせず、
具体的な何かを相手に伝えることなのです。
思考して結論を出すのは意外と難しいです。
わかりにくいと言われやすい方は、
ぜひもう一歩思考を進めてから表現してみてください。
それではまた!