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有給消化の義務化に賛成

まとめ

事実

 日本の有給消化率はグローバル平均に劣っている。

 日本の祝日はグローバル平均よりも多く、有給を含めた理論値の休暇は多い。

課題

 有給消化を義務化する制度に賛成か反対か

結論

 有給消化の義務化に賛成する。

 なぜなら、義務化により労基法を遵守する企業の増加が期待できるから。

 

記事はこちら↓

昨日、こんな記事をみつけました。

実は日本人は休み過ぎ!?有給休暇消化の義務化は国力を損なう|トンデモ人事部が会社を壊す|ダイヤモンド・オンライン

有給消化の義務化に反対で、有給の日数は与えられているのだから、

取得は従業員の裁量に任せるべきだ、との主張です。

さらには、従業員の裁量に任せる範囲を制度で縛るから、

日本の国力が減衰しているように感じると主張されています。

 

なんだか腑に落ちない点が多く感じたので、僕なりに論点をまとめてみました。

 

Q.1

有給消化の義務化の制度化が進められている理由は?

A.1

日本の有給消化率がグローバルと比較すると小さいから

Q.2

なぜ有給消化率が低いのか

A.2

個別のなんらかの理由で、従業員が有給の権利を

「行使しない」、または

「行使できない」から

 

さきほどの記事の違和感は、A.2に記載の論点のうち、

従業員が有給の権利を「行使しない」

ほうにしか、議論の焦点を当てていないことでした。

 

でも、従業員の裁量で有給を使える状況ならば、

「有給消化率をグローバル基準に近づけよう」

といいう議論にはなりません。

「日本人は休むよりも働くほうが好きなんだね、」

とグローバルで認識されるだけです。

それに対し、「ああ、そうなんだよ!働くの大好き!」

って返せばいいんですよ。

 

じゃぁなぜ有給消化の義務化の議論になったかというと、

グローバル基準よりも低い状態がイヤだから、です。

すなわち、有給をもっと消化したい!と願う人が多いからです。

 

でも実際にはできていない。

つまり、有給を取得する権利を持っていて、

権利を行使したいと願うにもかかわらず、

権利を行使「できない」人が多い、ということだと考えます。

中小企業で働いていた僕自身、

「有給消化は辞める時に一括で使うしかない」と思っていましたし。

 

これで、有給消化が義務化されることで、困る人よりも助かる人のほうが多い、

では、この仮説のもと、

有給消化を義務化したときの弊害について考えてみましょう。

 

義務化によって困る人にとって弊害があまりに大きく、

その弊害を取り除くことができない場合は実現しないほうがよいと考えます。

単純に、有給消化の義務化によって

 個人の生活が崩壊する人がでてくる

 企業の競争力が低下してつぶれる

のようなことが起きるなら、弊害を検討する余地がありそうです。

 

有給消化の義務化の影響は

 従業員にとっては休みが増える

 企業にとっては労働力が減る

です。

 

前者から検討すると、休みが増えて困る従業員って、僕は想像がつきません。

「休んだら仕事が終わらない」そんな状況も「たまには」あると思いますが、

そんなときには休まず、仕事が終わった状況で休めばいいんです。

 

常々、自分が休んだ瞬間に仕事が回らなくなるなんて状態は、

不健全甚だしい状況だと僕は思いますし、

もし自分が倒れたら会社が潰れるのかといえば、そんなこともないでしょう。

もし従業員一人の労働力の欠如を原因として潰れる会社があるのなら、

それは企業の社長の責任です。

企業にとって十分な人員の確保ができていないのですから。

 

ゆえに、個人にとって休みが増えて困る状況は、

あったとしても軽微な影響で済む、と結論付けます。

どうしても休まず仕事をしたいなら、

家でオフラインで勝手に仕事の勉強でもやれば、

仕事をしたことにならないし、仕事に役立つインプットを得られるので、

それで良いんじゃないでしょうか。

それだけ仕事がしたいなら、役員になって有給消化とか関係ない状態にすれば良いと思いますが。

 

続いて、企業にとって労働力が減る弊害について検討します。

・・・・・

まぁ、おかしな話になるのは目に見えますが、

そもそも、企業は有給休暇の権利を従業員に与えています。

法令で決められた最低日数は少なくとも。実質は伴わなくても、与えています。

その権利を行使されたら困るって、

与えている休暇日数を見込まないって、

一貫してないしよくわからないことを言わないで!!!

って思っちゃいます。

 

従業員を雇うとは、労働基準法に従うということです。

実態として従わない状態が通っているのは、異常なのです。

法令の内容の是非はあるでしょうが、現在ある法令には基本的に従う必要があります。

有給消化を義務化することによって、「法令に則った企業は理論上」困るわけがないのです。

 

個人にとってと企業にとっての弊害を検討しましたが、

有給消化の義務化による致命的な弊害はないと結論付けます。

ならば、有給をもっと消化したい!と願う人が多いなか、

有給消化の義務化を進めてもよいではないでしょうか。

 

祝日を含めた日本人の休暇日数は諸外国とくらべて多い!

というのであれば、そもそも有給の日数を減らして調整すればいいじゃないですか。

十分な休暇を与えられる企業なら可能でしょう。

義務化の目的は、有給の権利を実質的に行使できない人に対する救済なのですから。

 

最後に、「義務化」することのメリットを付け加えます。

義務化するということは、義務の違反を摘発できるようになる、ということです。

2015年2月現在、過剰労働や残業代の未払いの摘発は、

従業員からの申告によることがほとんどです。

時間管理の義務は企業にあって、企業が時間を管理している形式を整えるのは簡単だからです。

記録されている時間より実際に従業員が多く働いたことを、

従業員が証明するのはかなり労力がかかります。

 

一方で、有給の消化という観点なら、管理はどうなるでしょうか。

企業側では、従業員が有給を消化した、という証明を取らなければいけません。

1日のうち数時間の労働超過は、「ちょっといろいろあって・・・」とごまかせるかもしれませんが、

「休暇をとった」はずの日に従業員が労働していたことを証明するのは、

出勤日のサビ残を証明するより簡単になると考えます。

有給のはずの日に、頻繁に仕事メールのやりとりなどしていたら、

実態として有給じゃなかったとの心証は得られやすいでしょう。

 

だから、有給消化の義務化によって、企業側は抜け道を探すのでしょうが、

それでも休暇管理を強化する可能性が高いと思うのです。

義務ですから、企業は義務を果たしたと説明できるように

形式を整えなければいけないからです。

 

有給消化の義務化によって、労働環境が改善される企業は多い。

これが僕の結論です。

いかがでしょうか。