現実への線引
理想としては、誰もが平和で、誰もが思うがままに生きて、
誰もが苦痛を感じない。
そんな世界であればいいと思う。
でも、今の世の中はそうなっていない。
ならば、自分は何を主軸として選択しているのか、
選択に対する自分らしさとはなにか。
それを、明確にしなければ、気分によって選択が変わってしまうような、
一貫性のないただの現実逃避的な結論しか生み出せないような気がしています。
だから、俺が思っている、俺の現実に対するこだわりを、
言葉で記したい、数値で示したい、そして、それを今後守ることで、自分らしさを表したい。
そう感じて、今の考えを記そうと思います。
これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 ハヤカワ・ノンフィクション文庫
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これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: マイケルサンデル,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
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今、マイケル・サンデル氏の上記の本を読んでいます。
道徳とは何か、正義とは何か、という問いを、具体的な事例を用いながら読者に問う、
素晴らしい本です。
自己の考えを押し付けるのではなく、
思考するに足る事例を持ち出し、その事例における自分自身の判断を思考する上で、
思考の手助けとして、現在蔓延る論理を肯定・否定の両側面から明示する。
明示した上で、『あなたはどう考える?』という問いを残して、この本は去っていく。
俺自身は、人に害をなす人物なんぞ死ねばいいと思っているし、
人に害をなした自分なんて、生きる価値がないように感じることも多々ある。
なんで、人はそれでも生きていられるんだろう?と感じるんだ。
俺が持っている基準だと、俺自身も死刑だし、俺以外のけっこうな人数が死刑なんだよ。
デスノートの世界と言えば、わかりやすいかもしれない。
俺は夜神月に憧れているし、
少年ジャンプで漫画とされたからこその、『正義は勝つ』って雰囲気で終わったのが解せないと感じている。
デスノートは、Lが負けた瞬間に終わってよかった結末なんだと感じる人間、それが俺だ。
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自由に人を殺せる力を持ったとして、自分の正義をどこに置き、
何を悪とみなすか、その選択こそを迫った漫画だ。
マイケル・サンデル氏にも是非読んで頂きたい、文学的な漫画だと思ってる。
俺が持つ線引としては、
人間の持つ『悪意』が、正義の基準だ。
『悪意』を持ちながら、誰かを貶める行動を行うことは、悪だ。
ただし、その『悪意』は証明しづらい。表現の自由に束縛されて、
意識だけでは悪意を証明できない上に、
実際の行為に対して、善意・悪意を問わず、一定の量刑が課される制度となっている。
情状酌量は、善意の場合にはあり得るのだろうけれど、
それは明文化されない、言語化・数値化できない世界の事象である。
言語化できることは、抽象的なことが多い。具体的な事象は言語化しにくいし、
相手にうまく現実として伝わらない事が多い。
数字なんてもっとだ。
客観的な数字で表される事象なんぞ、個別の経験を凝縮し尽くした総括でしかなくて、
それが結果だと言われればそれまでだけれど、
結果のみを追い求めて、人間は活動していないし、
追い求めた結果に至らない場合でさえも、人間は成長できるのだから。
だから、目標に至らないことそれだけじゃ、悪意じゃない。
悪意とは、期待を裏切る行為を積極的に行うことだ。
そう、俺は定義したいと考える。
そして、俺の正義はその悪意を許さない、と定義しようと思う。