差別的な知識を得ることで、差別が助長される
福島出身の子どもが、学校で「福島帰れ!」などのいじめを受けることがあるらしい。
でも、なぜ出身地で差別する意識が生じているのかと言えば、
歪曲された知識を持ったからなんだよね。
【原発避難でいじめ】はなぜ起きたのか…蔓延した福島差別と問われる大人の責任 | ビジネスジャーナル
福島の例は、現代の部落のようなもので、出身地だけで人間を差別するための知識を、
子供が持ったことが問題だ。
僕の出身地の近くには、もともと部落と呼ばれていた地域があったけれど、
僕は親からその知識をもらうまで全く意識しなかったし、
知ろうと思うことすらなかっただろう。
「部落は差別されているけれど、ただの出身地で差別したらだめだよ」
という指導は、もともと差別していない人間に対して教えるのは悪だ。
「差別されている地域」という知識を植え付けているからだ。
「まず差別した上で、それはいけないよ」と言っているにすぎない。
人間は、自分が格下だと思える存在をぞんざいに扱う性質がある。
出身地で自分が優位に立てるのであれば、
その優位性を残そうと思う人間が現れるだろう。
ナチス・ドイツは優生学を用いて、血統で差別してユダヤ人を虐殺した。
血統だけで優位に立てるという人間心理を利用した結果だ。
福島を特別扱いすることは、それだけ、差別を助長することになる。
福島から逃れた人に着目すればするほど、福島の人間を差別することになる。
科学的に安全だとされている地域を、危険だとする主張は終わってる。
危険だと思うなら、自分が危険だと認識するにとどめておけばいいのに。
それを公言するメディアの罪だ。
「政府を信じられないからだ」との主張はあるけれど、
なら何を信じるんだ?
新しい科学的検証結果があるのならば、それを政府関連の科学者に提供したらいい。
「福島=原発=危険」という単純な方程式を立てる人間がそれなりにいることで、
子供にもその歪曲した知識が伝染して、いじめにつながる。
差別的な知識は間違っているし、そんな間違った知識があることすら教えないべきだ。